なっちです。
自信という視点から過去を振り返って、
人に与えるようになりたいと思ったきっかけを綴ります。
自信を失くし続けた過去があったから、
自信を与えられる人になりたいと思った。
そんな話です。
自己肯定感が低かった小学校時代
幼稚園の頃はなかなか友達ができなかった。
3月生まれ、一人っ子、成長の遅れ。
生まれた時期や兄弟構成は性格形成に大きく影響与えるように思える。
親からも心配されていた。
そんな不安を抱えたまま小学校に上がる。
そこで少しずつ空気を読むことを覚え、ようやく友達ができるようになった。
一応普通の枠に収まっていた少年だと思う。
休み時間は1人でいることも多かったけど遊びに誘ってくれる友達がいた。
めっちゃゲームにハマっていたけど引きこもるほどではなかった。
だから孤独を感じたりすることはなかった。
根っからのインキャではなかったように思える。
ただ、周りと同じことができずに先生に怒られることが多かった。
先生という存在は恐怖の象徴だった。
不真面目なタイプではなかった。
真面目にやって怒られることに理不尽さを感じた。
それでも周りと同じことができない。
自分のせいで周りに迷惑をかけるのは辛かった。
そんな日々の学校生活の中で少しずつ自信を失っていった。
「積極的に発言しましょう。」
「もっと周りのことを見ましょう。」
そんなの言葉で言われてできたら苦労しない。
「どうしてそんなことしたの?」
「ちゃんと考えればわかるでしょう?」
別に悪意はないし、何も考えてないわけじゃない。
できないことがそんなにダメなことなのか。
なんでみんなと同じことができないんだろう。
自分って何もできないやつなんだ。
そんな思い込みがずっと自分を支配していた。
自信の芽はあまり育たなかった。
頑張っても駄目なら頑張りたくない。
自分に対してのネガティブな思い込みはこの時期から強化されてきた。
いじめられた中学校時代
僕は自己に向けられていたエネルギーを他人に向けるようになる。
人との関わり方なんて知らない。
だけど、自分がアホなことをしていたら周りが笑ってくれることがわかった。
何だか認められたようで嬉しかった。
それから言われたことは何でもやるようになった。
笑ってもらうことで自分の価値を感じた。
そこに不満はない。
そうして僕はいじられキャラとしてのポジションを確立する。
一方、恋愛にも興味を持ち始める時期。
毎日のようにメールをする女の子がいた。
僕の気持ちは日に日に増していく。
それと同時にいじられキャラとしての要求もエスカレート。
君が笑ってくれるなら何だってする。
そんな気持ちだった。
そして僕はとうとう告白した。
いっぱい考えたけど、シンプルな言葉を伝えるので精一杯だった。
「好きです。付き合ってください」
「ごめんね」
「私は強い人が好きなの」
勇気を振り絞った告白は失敗。
強い人って何だろう。
少なくとも今の自分はそれとはかけ離れていることはわかった。
なんとなく気まずい関係になってしまった。
強い人になりたい。
何でも言いなりになってたら駄目なんだ。
僕はいじられキャラを卒業する決意をし、要求を断るようになった。
自分が嫌なことまですることないと思った。
だが、周りはそれを許さなかった。
何でも言うことを聞いていた奴が急に反抗してきた。
そう思われるのも仕方ない。
2、3日たった頃だろうか。
突然無視をされるようになる。
かと思えば、すれ違う度に殴ってくる奴もいる。
そして陰湿なイジメ。
直接は言ってこないが、僕に聞こえるような声で悪口が飛び交う空間。
少しでも気にすると自意識過剰なんだよって笑われた。
その空気感はクラス全体にも伝わった。
友達と思っていた人もいなくなってしまった。
僕は所詮おもちゃとしか思われてなかった。
みんなのストレスを解消するサンドバッグくんだった。
友達だと思っていたのは自分だけ。
酷い孤独感だった。
そんな状態でも好きな子を諦められなかった。
この子だけは味方でいてくれるような気がする。
だが、それは間違いだった。
僕の一方的な思いはストーカー化。
心底ウザがられた。
その子は一軍の女子で周りへの影響力も絶大。
「アイツ、まじでキモいんだけど」
「ねえ、このへん臭くない?」
「死んでくれないかな」
自分が悪いのはわかっていた。
わかってはいても大好きだった人にそう言われるのはエグい。
女性への強烈なトラウマの1つ。
男子からも女子からもゴミを見るような目で見られることになる。
毎日登校が苦しい。
教室は満員電車のようで息苦しい。
寝たふりをしながら不安に潰される。
授業中、休み時間、自分の心音がうるくて仕方なかった。
僕の意思とは関係なしに体がおかしくなっていた。
人の目をまともに見れない。
人の会話がすべて自分の悪口に聞こえる。
先生は何もわかってくれない。
厄介者扱いでしかない。
クラスメイトと関わりを作らせようとする先生が憎かった。
なんもわかってない。
ほんとになんもわかっていない。
誰一人僕の気持ちを理解してくれる人はいない。
何か1つでも取り柄があればいいのに、僕には何もなかった。
悪口も、無視も、暴力も、嫌がらせも、憐れみも、何もかもが嫌だった。
自信はとっくに底をついていた。
本当に駄目な人間なんだな。そう思った。
自分なんかが人と関わって良いことはない。
誰とも関わってはいけない。
居場所はどこにもない。
そんな思い込みは深く刻まれた。
僕の生きられる世界
この世界に疲れた。
不登校になった。
そこでずっと自分と向き合っていた。
そこで漫画にどっぷり浸かることになる。
漫画には理想の世界が広がっていた。
無我夢中で読み続ける。
100冊、200冊。浴びるように。
取り憑かれたかのように来る日も来る日も没頭する。
漫画以外何も考えたくなかった。
唯一現実を忘れることができる時間。
体が痛い。頭痛が酷い。目が霞む。変な夢も見るようになる。
何かを吐き出すようにひたすら読み続けた。
めくってはめくっては漫画の登場人物を自分に投影した。
そうして自分だけの世界を作った。
僕の生きられる世界が漫画の中にあった。
気づけば1000冊を超えていたと思う。
もはやどちらが現実なのかわからなくなっていた。
漫画によって僕は確かに救われた。
幸福感を感じていた。
だが、このままじゃ駄目なことに薄々は気づいていた。
繰り返される日々に違和感を覚えるようになった。
ここにいるのはとても楽だけど、現実を見なければならない。
理想とは程遠い自分の姿に吐き気がした。
自覚してからは本当にキツかった。
逃げてきた分距離を感じる。
ここから以前いた場所まで戻れるかすら自信がなかった。
立ち向かう勇気がなかった。
自分を全く信じることができなかった。
未来への希望がない。
自分の可能性を全く感じることができない人生に絶望する。
死にたいという感情が心を揺さぶった。
だが、救いの手があった。
それはある友人の存在だった。
変わらずに接してくれた友人がいた。
不登校になった時も、復帰後も自分を受け入れてくれた友人がいた。
周りから疎まれるから関わらない方がいいよ。
そう僕は言った。
「関係なくね?」
友人は笑ってそう返してくれた。
僕がクラスメイトから浴び続けた「死ね」「ウザい」「殺す」「邪魔」「消えろ」という数々の言葉の暴力。
そんな中、何度も友人がくれた「大丈夫!」という言葉。
その言葉にどれほど救われたのだろう。
どれほど嬉しかっただろう。
どれほど力になっただろう。
友人がくれたシンプルな言葉。
それが今日の僕を生かしている。
周りのほとんどが敵でも味方でいてくれる人がいる。
こんな僕でも認めてくれる人がいる。
真っ暗な部屋の中で小さな光を見た。
自分にも生きる価値があると、ほんのわずかに自信を取り戻すことができた瞬間だった。
そのわずかに得た自信があったから、僕は行動することができた。
病的に漫画に没頭していたせいか集中力はあった。
みんなが寝ている間に筋トレして外へ走りに行った。
行けるところまで行ってヘトヘトになりながら帰路についた。
みんなが学校へ行っている間、眠りについた。
知らない街へ行くのが好きだった。
誰もいない夜中の街や公園。
時が止まっているかのように感じられた。
何もない僕を歓迎してくれるようだった。
走りながらいろんな景色を見た。
移りゆく景色と共に自分が変わっていくような気がした。
漫画。筋トレ。走る。寝る。
そんな毎日を繰り返す中で体つきは変わっていく。
淀んでいた思考も少しずつ磨かれていく。
目には見えなくとも着実に。少しずつ。
前に進んでいる実感があった。
自分の中で何かが変わり始めていた。
1ヶ月が経過した頃だろうか。
もしかしたらもう大丈夫かもしれない。
ふと、そんなことを思った。
いけるかもしれない。
不安や恐怖よりもその気持ちが上回った瞬間だった。
そうして学校に復帰した。
居心地の悪さは相変わらずだったが、以前よりも怯えることは少なくなった。
それに友人がいた。
なんとかなるという安心感があった。
ここにいてもいいと言ってくれている気がした。
そうして僕は少しずつ居場所を取り戻していった。
いつのまにかちゃんと笑えるようになっていた。
大丈夫という言葉は現実になった。
与える人になりたい
中学校を卒業する頃にはそれなりに明るく振る舞えるようになった。
いじめられた経験は辛かったが大きな意味があった。
人の痛みに敏感になることができた。
何かあってもあの時に比べたらまだマシだなと思えるようになった。
自分のやりたいことに気づくきっかけになった。
やっぱり辛い経験も苦しい経験も全ては伏線という感覚がある。
人に自信を与えられる人間になりたい。
それは死ぬほど自信がなかった過去があったから。
自信をくれた人がいたから。
自信を取り戻した先の世界を垣間見たから。
偽善者だと思われたっていい。
自分がやりたいように。
誰にでも無性の愛を。
そんなん全然できない。
究極は自分のため。
好きではない人と無理に関わるつもりはないし、
そもそも価値観が合わない人に与えられるものは少ない。
でも自分の好きな人に与えたいと思うのは自然なことなんじゃないかって。
これまで人からいっぱい与えてもらってきた。
それはもうたくさんのものを。
与えてもらってばかりだとモヤモヤする。
どうやら一方通行は居心地が悪い。
循環させたい。
当時はぼんやり教員という選択が浮かんだ。
居場所を与えられるような存在になりたかった。
クソみたいな教員が多くてウンザリしていたから。
気持ちを理解できる教員になりたかった。
だけど、子どもだけだと広すぎる。
僕が手が届かない人がたくさんいる。
だったら自分の手の届く範囲で。
僕が好きな人や価値観が合う人に対して、自分のできる限りのことができたら。
自信の芽を取り戻すきっかけになれたら。
それが今の僕が最も貢献できることなのかもしれない。
僕が影響を与えた先に、今度はその人が他の人に影響を与えていく。
そうやって自信を取り戻した人が増えて、自信と優しさを広めたい。
生半可な気持ちでやるつもりはない。
だからまだまだしんどい時期が続く。
だけど今の僕には信念がある。
応援してくれる仲間もいる。
大丈夫。
何があっても大丈夫。
今度は自分が言えるような存在に。
迷える人の背中を自信をもって押せるように。