人生

ナンパ師がホストを辞めた話-情を捨てる覚悟と歌舞伎町の闇-

 

ナンパ師がホストを始めた話-夜の世界へ飛び込む-

 

僕は半年ほどホストをしていました。

残念ながら満足できる結果は残せませんでした。

ですが、経験としてはとても良いものになりました。

ホストとして働いた先で見たものを伝えます。

 

ホストを辞めた理由

 

友人「なんでホスト辞めたん?」

 

なっち「性病になって出勤できなくなった!w」

 

僕はよくそう答えていた。

できるならネタにしてしまいたかった。

ホストを辞めることになった理由は他にある。

 

それは自分の気持ちに背いてまでやる必要がないと思ったからだ。

 

”やる気があれば”誰でも稼げるチャンスがあるのがホスト。

間違ってはいないと思う。

ただし(死ぬほど)やる気があればという意味だ。

ナンパのモチベすらも管理できないようだと厳しい。

 

 

ホストクラブは従業員不足を抱えていることが多い。

だから入り口は広くとっている。

顔が多少悪くともやる気を見せれば採用してくれる。

見た目は努力で改善できる部分が大きいからだ。

 

だが、人間的な魅力を磨いて努力を重ねれば結果が出るという考えは甘かった。

非モテスタートの僕が結果を出すには相応の代償が必要だった。

 

僕にとっての代償は、凄まじい努力量と情を捨てる覚悟。

 

 

魅力ある人であれば、ある程度までは稼げる。

それでも、情を捨てずに上を目指すのは難しくなってくる。

自分のために数十万、数百万使ってもらう覚悟。

女の子を洗脳する覚悟。

 

僕にはそうする覚悟はなかった。

そこまでして稼ぎたいとも思えなかった。

 

ホストにハマる女の子の気持ちが最後までわからない。

原価5000円のシャンパンに10万出す意味がわからない。

それも一度に何本も開ける意味がわからない。

 

本来そのお金があれば、2人でどれだけ楽しい思い出が作れるだろうか。

果たしてホストでなければならなかったのだろうか。

理屈ではないのだろう。

そうして風俗に身を落とす女の子。

好きな人に尽くせるなら本望なのかもしれない。

 

 

騙すぐらいだったら仕方ない。

自分が売らなければ極貧な日々を過ごさなければならない。

貯金はもうなかった。

ケータイも止まる。

 

手段を選んでいる余裕はなかった。

だが、僕は店に来てもらうぐらいが限界だった。

 

先輩は夢を語って未来を見せろと言っていた。

夢を語る系は強力だ。

 

(自分の夢や将来について語った上で)

 

今の自分が普通に働いていたら、 

どんなに頑張っていてもお金はなかなか溜まらない。

少しでも早く夢を叶えたい。

そのために今めちゃくちゃ頑張ってるし、俺はNO.1をとりたい。

ホストとして立派に結果を残したい。

 

いつも支えてもらって本当に感謝してる。

もう1年だけ支えてほしい。

俺が夢を叶えてホストを引退したら今度は俺が支えるから。

そしたら一緒になろう。

 

 

そんな話をすると言う。

ブレない軸をもっている。

だから情熱的に話せる。

実際、内容は大したことはないかもしれない。

だが、雰囲気と伝え方次第でその効果はいくらでも跳ね上がる。

 

最後の引退したら~ってのはだいたい嘘。

そもそも全部嘘かもしれない。

嘘で塗り固められた世界。

 

女性からどんなパターンの反応が来ても問題ない。

既にトークスクリプトが用意されている。

揺るがない。

 

 

営業に通ずるものがあると感じた。

 

双方のメリットをわかりやすい方法で伝える点。

ネガティブな反応が来てもそれを打開できる回答が用意されている点。

情熱的に相手を引き込む点。

 

これは大体ナンパにも通ずる。

全てはコミュニケーション。

 

 

歌舞伎町で出会った女の子

 

僕がホストを辞めることを考えた1つの出来事がある。

 

深夜3時の歌舞伎町。

 

絶望した顔で女の子がフラフラと歩いてくる。

薬をキメているような異様な動きだった。

 

僕は気づいたら声をかけていた。

激情しながらも話はしてくれた。

 

風俗で働くことになってその人のためだけに体売ってきた。

エースとして4年間頑張ってきた。

ようやくそのホストも引退が決まった。

結婚を約束していた。

婚約指輪も買って婚姻届を出すところだった。

 

 

それが直前になっての婚約破棄。

嘘だった。

将来を語り合ったことも、すべて嘘だった。

 

 

女の子は捨てられた。

話している間もずっと泣いていた。

訴えるように言葉を放つ。

感情は収まるどころか、激しくなる一方だった。

 

 

突然、僕の目の前で婚約指輪を投げ捨てた。

そして、道路に飛び込んだ。

 

幸いギリギリで引き留めることができた。

ただ、これ以上どうすることもできなかった。

 

もう何もできない。

ずっと構っていられる状況ではなかった。

 

その後、その女の子がどうなったかは知らない。

生きてさえいればいいのだが。

 

 

救えなかった。

無力だった。

 

状況は違うが、ナンパを始める前にも似たような経験をしている。

その時も自分の無力さを感じた。

 

所詮他人という言葉で片づけることはできない。

僕もいつか本当に大切なものを失くしそうで怖い。

この先同じような出来事が起きた時、自分に何ができるだろうか。

 

 

それでも僕はホストを悪くは思わない。

人それぞれ様々なバックグラウンドがある。

 

夢を叶えるため。

 

借金を返すため。

 

えげつないくらい金に苦労した過去がある人。

 

前科があるために普通の社会で生きれない人。

 

No.1になってとにかく有名になりたい人。

 

子供の頃に母親がホス狂いになり、自殺。

その過去を自らホストになって乗り越えようとする人。

 

 

稼いでいるホストは覚悟と情熱が違う。

 

自分が生きるために人を殺せるか。

 

華やかな世界の裏には深い闇がある。

 

 

先輩は僕にこんなことを言ってくれた。

 

お金を使ってくれたってことは、自分がそれだけの価値を提供したってこと。

ホストに来る子は、自分が騙さなくてもどこかで必ず騙される。

だったら他の誰よりもその子を幸せしてあげればいい。

傷つけることを恐れるな。

お前は人のことをちゃんと考えているから大丈夫だ。

だから心配するな。

 

 

甘すぎる自分に対して、優しさと厳しさを教えてくれた言葉だった。

 

相手のことを考えすぎて踏め込めなかった自分。

だけど、本当は自分が傷つくこと、責任を負うことが怖かったのかもしれない。

そこに気づいた時、僕は大きく成長することができた。

ホストを経験することで、余計な甘さを捨てることができた。

 

 

 

それでも僕は搾取する側になりたい訳ではなかった。

 

ずっと搾取される側だったから。

奪うよりも与える人間になりたかった。

 

誰もが平等な時代は永遠に来ない。

一方で、弱者が這い上がる手段は存在する。

やる気次第で自分の人生は変えられる。

 

自分にとってその手段の起点となるものがナンパだった。

 

今も這い上がり続けている。

ナンパに出会ってかつてないほどの成長を感じた。

ホストを始める決断ができたのも、自信が持てるようになった結果だ。

 

強すぎるコンプレックスと僅かな自信が僕を突き動かした。

 

 

ホストとして働けたことは極めて良い経験だった。

非日常感に触れ、夜の世界を肌で感じることができた。

魅力的な人が多くいる環境で働くことができた。

様々な視点で見た目の改善ができた。

 

揺るがない根性が身についた。

そして、苦しみ悩みながら思考に試行を重ねて得た気づき。

一生残る財産になった。

 

辛かったけど楽しい思い出もたくさんできた。

「ホストを辞めても俺との関係は辞めんなよ」と先輩は言ってくれた。

だから後悔はしていない。

 

同時に、染まる前に戻って来れてよかったと思う。

僕が本気でやりたいことは他にある。

どう実現するかはまだわからない。

だけど、ここで得たものは何かの形で還元していきたい。

 

 

ホストに興味がある方へ

 

個人的に大事だと思うことを2つだけ伝えます。

 

1つ目は、お店選びです。

ぜひ何店舗か体験入店してください。

店によって人もシステムも雰囲気も違います。

人は環境に一番影響を受けます。

稼ぐ上でも魅力的な人間を目指す上でも、お店選びは非常に重要です。

 

2つ目は、何のためにホストをやるかです。

よく言われていますが、やる気の強さが一番大事だと思ってます。

そのやる気はどこからくるものなのか掘り下げてみてください。

安易な気持ちで始めると後悔すると思います。

人生経験ぐらいの気持ちであれば体験入店のみでいいと思います。

様々な選択肢があることを知った上で、ホストを選んでください。

 

以上です。

まずは体験入店することをオススメします。

ちなみに3~4時間の体験で3000円~5000円(例外あり)もらえます。

支払い等の都合上、身分証は必要ですがどこの店でも同じです。

そこで心配する必要はありません。

体験入店は、ほすほすのページから体験したい店舗に連絡すればOKです。

 

最初に軽く面接がありますが、とにかくやる気を見せましょう。

基本的にはOKしてもらえるはずです。

ぜひ自分の世界を広げてみてください。

 

 

ホストで学んだマインド-自分の限界の話-

 

ABOUT ME
なっち
恋愛、仕事、お金、人間関係、低身長、いじめ、劣等感、コミュニケーション、社会不適合、あらゆるコンプレックスと向き合う過程で自分が本当に欲しかったものは自信であることに気づく。 20代後半。身長150台。夜職経験あり。 コンプレックスだらけだった自分がストリートナンパをきっかけに人生を切り開く。 人生を賭けて自信を追求中。