人生

金と女と人生②-好きを仕事にする覚悟-

 

金と女と人生①-金に縛られた生活-

 

 

自己投資に金を使うこと

 

彼女と別れ、教員採用試験にも落ちる。

金も女も職も何1つ満たされない。

武器になるような能力もない。

何もない自分の人生。

 

上手くいく方法はわからない。

明日を少しでも良くしようと必死だった。

本を読んで、人と会ってを繰り返して。

その過程でナンパを知った。

 

 

ナンパという行為は人生の価値観を大きく変える。

常識に囚われていた自分が破壊される。

 

最も影響を受けたのはその中で出会う仲間だった。

本やネットを見るだけでは絶対にわからない。

人と会うことは何十倍もの価値があった。

自分の常識をぶっ壊してくれる人が大好きだった。

 

前に進むために金や時間の全てを投資。

本物と信じた人に教えを請う。

新しい自分に出会い続ける。

成長する喜びは何にも代えがたいものだった。

 

一方で、進めば進むほどに自分がどれだけ未熟かを思い知る。

 

 

 

”足りないという飢餓感”が僕を突き動かした。

 

 

今あるものはいずれなくなる。

金だって人だっていつまでもある保証はない。

だけど経験だけは死ぬまで残る。

未来のための投資期間。

前借りしてでも経験を買う価値があった。

 

自分自身で経験しながら試行錯誤するべきもの。

金を使うことで労力や時間を割けるもの。

それを見極めて自己投資をすれば無駄にはならない。

 

 

向上心は金を使う恐怖をも塗り替えた。

経験は金よりも大切なものになっていた。

 

 

ホストと金への恐怖

 

少し自信がついた頃、ホストを始める。

会社は辞めた。

飛び込むタイミングは今しかないと思った。

 

両親も金に人生を狂わされた側の人間。

当然反対される。

相当苦労もかけてきたし感謝もしている。

それでも自分の思いは譲れない。

 

仕事を含めた将来への展望。

今まで感じてきた金へ価値観。

それを本音で話す。

やっぱり納得はしてもらえない。

 

ホストを始めてからも僕は伝え続けた。

数週間、数カ月と続く。

全て自己責任の元、ようやく認めてもらえた。



 

ホストを始めた1番の理由は経験のため。

自己の在り方やモテへの追求だった。

 

一方、金への恐怖を克服するためでもある。

金を使う恐怖が軽減されても、人から金をもらうことが怖い。

 

金に縛られたからこそ金の重みが必要以上にのしかかる。

金を失う痛みを自分のことのように感じる。

数千円、数万円でも痛い。

数十万や数百万は耐えられない。

 

自分のために大金が使わせられない。

実際の難易度もさながら、心の問題を超えられなかった。

 

 

その金額を稼ぐのにどれだけ苦労するか。

それが体に染み付いて離れない。

やっぱり僕は金が怖い。

 

 

ホストという仕事は奪う感覚が強すぎる。

相手のことを考えすぎて消耗する。

情を完全に捨て切れない。

それが最大の弱点であり、僕を縛り続ける。

 

稼ぐ意思の強さが結果に直結する世界。

今の自分のまま生きられるほど甘くはない。

様々な出来事も重なり、ホストを辞めた。

 

大きな結果は残せず、借金も増えた。

それでも一切後悔はしていない。

ホスト経験は確実に自分を強くしたからだ。

 

 

自分が納得できる場所で稼ぐ。

与える感覚を持てる方法で稼ぐ。

 

 

情を捨て切れなかったからこそ固まった軸。

稼げれば何でも良いとは思えない。

それは僕の弱さでもあり、強さでもあった。

 

 

仕事と人生

 

暮らすためには金が必要だった。

再び昼職で働き始めることになる。

会社において最優先するべきは利益。

そのために目を背けなければならないこともある。

 

ルーティンワークは得意な方だった。

外から見れば上手くやっているようにも見える。

されども人のことを気にしすぎる。

その繊細さは僕の足を引っ張った。

 

会社で働くことで学びはたくさんある。

しかし金のために働いている感は否めない。

 

 

普通に働くと自分の長所は短所になる。

不適合な自分。

満員電車に群がる人々。

毎日が変わらない。

何日繰り返しただろうか。

 

金のために働く人生。

それでは金に縛られた生活から永遠に抜け出せない。

 

仕事と人生。

歩んできた日々を回想。

必死で何かを掴もうとしていた。

 

 

自分の手で稼ぐ力を身につけたい。

自分の長所を生かせる仕事がしたい。

心から好きだと言える仕事がしたい。

たとえ金に困らなくなっても、誇りを持って続けられる仕事がしたい。

そうして金に縛られた過去を清算したい。

 

 

それが僕の本音だった。

自分の気持ちに素直に生きる。

そんな生き方を渇望していた。

 

教える仕事は好きだった。

だが、教員という選択肢には疑問が浮かんでいた。

決められた枠組み、限られた人にしか教えられない。

その制限は熱を奪う。

 

 

自分の思いに深く共感してくれる人の力になりたい。

そんな人にありったけの情熱を注ぎたい。

 

 

そこで出会ったのが”情報発信”。

僕の求める答えがあるような気がした。

上手くいく保証なんてどこにもない。

向いているかどうかもわからない。

しかし、僕が本気で挑戦できる手段だった。

 

 

自分の手で稼ぐ

 

自分の手で稼ぐ感覚を養う。

金への恐怖が強い僕には成功体験が必要だった。

 

再現性がある程度保証され、勝負できる分野があった。

それがスト値上げ。

noteというプラットフォームで書くことになった。

 

だが、片手間で書けるものではない。

僕は本当に要領が悪いし、納得しないと前に進めない。

時間は作り出すしかなかった。

 

だから会社を辞めてnoteの執筆に没頭した。

 

 

それでも完成まで1ヶ月以上かかった。

僕は文章を書くのに人の何倍もの時間がかかる。

小中高で最も苦手な科目は国語。

特に言葉を通して表現することが苦手だった。

 

金が関わってくるとさらにその数倍の時間がかかった。

書きたいことは際限なく増え続け、妥協ができない。

 

 

要領の悪さにはいつも苦しめられる。

ビジネスで最も重要なのはスピード感。

それは自分が最も欠いているもの。

不適合な自分に自信を失くしてきた人生。

 

だけど経験から何かを生み出すことには幸せを感じた。

我を忘れて集中できる。

夜を跨いで朝日は昇る。

楽しくて苦しくて仕方がない。

 

 

「その仕事が向いているかどうか?才能はそんなに関係ない。

1つ言うなら、どれだけその仕事を好きになれるか。」

 

 

僕が信頼を寄せている方からの言葉。

それが僕を何度も勇気付けた。

好きという1点のみには自信があった。

 

好きになれることは最強の才能だと信じたい。

努力を努力と思わない。

のめり込むように追求できる。

 

 

それでも一人では公開まで辿り着けなかっただろう。

自分が心血注いで作ったもの。

それが全く評価されなかったら。

認められなかったら。

完成が近づくと不安で止まらなくなる。

 

芸術で生きる人。

何かを生み出す人。

彼らの信念は凄まじい。

生みの苦しみを初めて理解した。

その心情に触れられただけでも価値があった。

相手の背景に共感できるようになったからだ。

 

 

信頼と還元

 

note公開日。

手が震えて文字が打てない。

息苦しさに泣くほど緊張していた。

 

励ましてくれる仲間。

アドバイスをくれる仲間。

いつものように笑い合える仲間。

 

その存在に僕は支えられていた。

仲間に背中を押され、公開の文字をクリックする。

 

 

決して安くはない金額。

僕は今まで積み上げてきたものを信じた。

 

じわじわと部数は伸びる。

だが、不安はまだ拭えない。

 

しばらくすると感想をくれる人が現れた。

それが引き金となって濃い感想が増えていく。

そこから部数は爆発的に伸びた。

 

 

深い信頼を築いた人が何人いるか。

それはフォロワー数よりも遥かに大切なことだった。

こんな形で可視化されたことにも大きな意味があった。

様々な場面で自分が助けられていることを知る。

 

不安、緊張、恐怖、感謝、期待、安心、喜び。

様々な感情が僕の中を駆け巡った日。

徹夜続きで疲労は限界に達していた。

そのままゆっくり眠りについた。

 

 

 

結果としてnoteは成功を収める。

自分の知る限りでは価値も提供できた。

感謝の気持ちでいっぱいだった。

 

自信をつけるという観点で直接講習もした。

見た目の改善、強いマインドの作り方、地蔵克服。

値段に見合った価値は提供はできたと思う。

 

結果にはひと安心。

だが、”もっとできる”という心の声を聞いた。

 

 

足りない。

まだ足りない。

まだまだ足りない。

そんな飢餓感とも言える感情は再び爆発した。

 

 

勉強したい。

アウトプットしたい。

人に会いたい。

 

自分を磨き続けることで人に還元する。

勇気を与えられる存在でありたい。

支えられてきたからこそ思えることだった。

 

 

そのためには時間が必要だった。

そして時間を確保するために金が必要だった。

note等の収入は返済にあてなければならない。

貯金はない。

だが、会社に戻れば時間が足りない。

 

特別なスキルもない自分がすぐに稼げる手段を探す。

対価として何かを払う必要がある。

甘い話には裏がある。

特に金に対するリスクにはシビア。

後がない僕には選択できる手段が限られていた。

 

 

稼ぐための手段

 

最初に目をつけたのは治験。

体は強い方ではないがいくつか応募してみる。

 

だが、アレルギーが多すぎるために落とされる。

通ったかと思えば、手術歴で落とされる。

検査も審査も時間がかかりすぎる。

通るまで待ってはいられなかった。

 

 

次に女性向け風俗へ足を踏み入れた。

副業としてやっている友人の紹介だった。

業界には抵抗があったが、友人が稼げている事実がある。

 

最初に研修費を払う。

なけなしの金だったがすぐ取り返せばいいと思った。

研修、宣材写真、プロフィール作成までサクサクと進む。

 

しかし、まったく指名は入らない。

風俗において最大の判断材料は容姿。

容姿の改善には並みでない努力を重ねてきた。

 

だけど素材的に無理があったのかもしれない。

少なくともその店ではハマることはなかった。

 

 

もう残高がない。

時間も迫っている。

返済のことを考えると夜も眠れない。

金への恐怖は再び僕を地獄に落とした。

 

 

人生を邪魔する最大の壁は余計なプライドである。

 

 

ナンパする中で得た大切な気づき。

それを再び思い出す。

 

自分が好きなことを仕事にする。

決して簡単なことではない。

ナンパと同じでほとんどの人が挫折していく。

 

 

「お前の思いはこんなものか」

 

そう自分に問う。

 

 

金に縛られない人生。

僕はその夢を本気で叶えたい。

そのために今の自分を捨てる。

 

 

覚悟を決めていた。

 

そうして行き着いた先が”売り専”だった。

 

僕は男に体を売ることになった。

 

金と女と人生③-理想と出会った先の話-

 

 

感想

 

 

ABOUT ME
なっち
恋愛、仕事、お金、人間関係、低身長、いじめ、劣等感、コミュニケーション、社会不適合、あらゆるコンプレックスと向き合う過程で自分が本当に欲しかったものは自信であることに気づく。 20代後半。身長150台。夜職経験あり。 コンプレックスだらけだった自分がストリートナンパをきっかけに人生を切り開く。 人生を賭けて自信を追求中。