ナンパを起点に理想の人生を追求する

金と女と人生③-理想と出会った先の話-

この記事は7分で読めます

 

金と女と人生①-金に縛られた生活-

金と女と人生②-好きを仕事にする覚悟-

 

 

売り専という仕事

 

 

時間的拘束を受けない仕事。

そうして辿り着いたのが売り専。

男に体を売ることを対価に時間を買うことにした。

右も左もわからない。

 

幸いにもこの業界に詳しく、信頼できる友人がいた。

こんな時にも繋がりには助けられる。

相談にのってもらい店を決めた。

 

売り専は完全指名制だ。

選ばれなければ1円も稼げない。

ネトナンの経験から写真の重要性は理解していた。

写真は納得いくまで撮ってもらった。

 

僕にとって最後の砦。

もう外せない。

もっと戦略的に。

 

 

写真のおかげか指名はすぐにくるようになる。

鍛え上げた体はここで役に立つ。

体が商品。見た目の維持も心がけた。

 

お客さんは多種多様。

年齢も20代から60代まで幅広く。

相手のスト値はもはや気にならない。

清潔感も目をつぶる。

 

性的な知識と技術は徐々に広がった。

半月もすれば要領はだいたい理解した。

 

相手が望むことは何か。

言葉だけでなく表情や体で感じ取って臨機応変に変える。

それをマスターから教わった。

自分が学んできた考え方と一致していた。

 

 

今まで抱いてきた子たちを思い返す。

自分がされて気持ち良かったこと。

嬉しかったこと。

それらを全て書き出す。

後は相手に合わせて実行していく。

 

どうされたら気持ち良いのか。

逆に何をされると気持ち悪いか。

どう演技するのが良いのか。

 

自分から生まれる感情を丁寧に考察する。

自身の体を使って繰り返される実験。

 

相手を満足させること。

快楽を追求すること。

体が勝手に覚えていく。

 

 

意外と学べることは多い。

最初は感情を殺す練習をした。

相手を満足させることに集中した。

抱いて抱かれての試行錯誤。

 

世の中には特殊な性癖を持った方々がいる。

金や性が関わると豹変する人もいる。

それすらも面白いと思い込ませる。

 

慣れと暗示によって脳を意図的にバグらせる。

心理や脳について勉強していたことが役に立つ。

 

 

追い込まれた先に見えたもの

 

しかしながら脳を騙しきれない時もある。

どこまでいっても僕はストレート。

 

人間的に好きな人はいた。

それでも性的に好きになるのは不可能。

先天的なものは変わらない。

マジで変わらない。

ジェンダーの壁は厚い。

 

二丁目のホテルで人と浸かる。

暮らすために自分を殺していく。

犯される夢を見るようになる。

脳まで犯されそうだった。

 

 

 

一方、リピートをくれる人は増え続けた。

毎週のように指名してくれる人もいた。

ロングで入ることもしばしば。

オプションを付けずにナンバー入り。

一定の成功を収めることができた。

 

売り上げと比例して心は重くなる。

海の底まで沈んでいくようだった。

潜るほどに息苦しさ、圧力がのしかかる。

 

いつになったら戻れるだろうか。

そんな不安を抱えながらも今は潜り続ける他ない。

 

 

仕事終わりはすぐにナンパに出た。

体を塗り替えたい一心。

キープに甘えることも多くなる。

自分の状態が良くないことには気づいていた。

 

ナンパの成功率は大きく変わらない。

だが、即の内約はメンヘラや明らかな即系が多い。

 

自ら引き寄せている。

自分の心の在り方がそのまま結果に現れていた。

 

 

”いかなる時も自分を整えるという意識”

 

この大切さは何周も回って実感することになる。

疲れていても、失敗しても、しんどい時もブレない奴が強い。

 

結果を最大化させる上で最も大切なのは自分を整えること。

 

いつもは忘れない。

だが、追い込まれると忘れてしまう。

1番必要な時にできなくなる。

 

”何があっても余裕を持ち続ける”

 

ヤバいと思った瞬間に反射で想起されるように。

そう自分に刷り込んでいく。

 

追い込まれた時に折れない。

そういう奴がカッコいい。

諦めないと決めたら、脳が何とかしようと動いてくれる。

そこに成長がある。

その信念があれば強くなれる。

 

 

理想の人と出会う

 

 

そんな僕にも大切な人ができた。

 

(彼女との出会いは下記記事を参照)

心の底から繋がりたい(前編)-非モテコミットの先に掴んだ未来-

心の底から繋がりたい(中編)-価値観トークの意味と信頼関係-

心の底から繋がりたい(後編)-理想と葛藤、誠実とは何か-

 

 

彼女は何気ないことですぐ笑う。

どこへ連れて行っても喜んでくれる。

感情表現が豊かだった。

 

振る舞いは品があって、考え方は大人で。

誰よりも優しく温かい心を持っていて。

誰よりも一緒にいて居心地が良くて。

 

どう育てられたらこんな子が生まれるのだろう。

闇に溶ける僕を包む光のような存在だった。

 

デートしてそのまま彼女の家に泊まる。

いつも最高のおもてなしをしてくれる。

朝から晩まで幸せな時間を過ごす。

 

 

「だいすきよ」

「あなたのことが大事よ」

「無理しないでね」

 

 

そんな言葉に僕はいつも救われていた。

 

何があっても彼女がいれば乗り切れる。

沈んでいく僕を太陽のように照らしてくれる。

だから僕は何度だって蘇る。

笑って明日を迎えることができる。

 

 

彼女さえいれば何もいらない。

知れば知るほど魅力的。

2年以上ナンパする中でもこんな人はいなかった。

人生史上ダントツだった。

理想の人をようやく見つけた。

 

僕は心を奪われていた。

本気で惚れていた。

その感覚はどんな言葉でも表現できない。

 

 

”もうナンパを辞めてもいい”

 

初めてそう思える日が訪れた。

仮にナンパか彼女のどちらかしか選べないとしたら。

僕は迷わず後者をとる。

 

 

”もっと良い人がいるかもしれない”

 

その螺旋から抜け出した。

未来を共にしたいと思える理想の人。

その基準がわかった。

 

 

付き合って1ヶ月。

僕は花をプレゼントした。

ささやかながらも真剣に選んだ。

純粋さと芯の強さを兼ね備える彼女にぴったりの花。

 

「似合うと思って選んだ」

そう言って僕は花を渡す。

彼女は驚くほどに喜んでくれた。

 

「綺麗だね」

「いい匂い」

花を見つめては嬉しそうに何度も言ってくれる。

僕も彼女の喜ぶ姿を見るのが心から嬉しい。

 

花は部屋の良く見える位置に飾られた。

「蕾が開いたよ」

「今日も綺麗に咲いてるよ」

そう電話で教えてくれる。

大切にしているのが伝わってくる。

 

彼女にとっては何気ない一言。

 

僕はただそれだけで幸せだった。

 

 

一方、彼女はお嬢様。

親は経営者でもあり、金銭感覚も違う。

 

過去、経済状況、仕事。

潜在的に負い目があった。

 

金がないと感じる瞬間はやっぱり多い。

自分が思う100点の正解を取りにいけない。

選択肢が限られる。

現状はそこで勝負するしかない。

 

食事もホテル代も毎回割り勘。

出そうとすると彼女の方から割り勘がいいと言ってくる。

一瞬でも嫌なそぶりは見せない。

良くできた子だった。

 

 

綺麗すぎる彼女。

触れるには僕は汚れすぎている。

 

それでも彼女は僕を選んだ。

過去も今さえも関係ない。

何かあった時は今度こそ守れる男でありたい。

彼女に相応しい男として未来を見たい。

 

いつまでもこの場所にいるつもりはない。

今の生活を抜け出して、自分が納得する方法で稼ぐ。

稼いだお金を使って、彼女といろんな経験を共有したい。

 

 

非モテコミットの先に掴んだ未来。

ようやく手に入れた確かな幸せ。

失くさないように。

離さないように。

 

 

 

それでも幸せは滑り落ちるように流れていく。

 

僕があげた花も命を燃やし尽くそうとしていた。

 

 

 

理想に対する自分

 

 

本格的な冬が始まる。

 

クリスマスはすぐ先だった。

 

 

「別れよう」

 

 

そんな旨のLINEが届く。

目を疑った。

 

一度固まった決意を覆すことは難しい。

「わかった」とだけ告げ、距離を置く。

 

僕はこれまでの彼女への接し方を見直した。

 

彼女に依存してはならない。

負担をかけてはいけない。

非モテコミットしないように。

 

だからナンパもするしキープとも会っていた。

あえて離れてみたり、感情を揺さぶるようなこともした。

関係を維持するために必要だった。

 

 

しかし、マインドは完全に彼女に依存していた。

 

 

会う度に好きになっていく自分が怖かった。

不安がないと言ったら嘘だ。

 

不正解の蓄積?

浮かれていた?

彼女に対する甘え?

 

それ以上に問題だったのは「失いたくない」という思い。

 

僕の弱さの現れ。

 

要は整っていない状態だった。

 

女に困らない状態だとかは関係がなかった。

学んだテクニックはまるで役に立たない。

金の問題でもない。

非モテコミットの業は深い。

 

女性軽視はしない。

だが、特別視はもっとしてはならない。

 

僕は彼女を特別視しすぎていた。

特別だけど、特別じゃない。

 

 

 

”マインドが全てである”

 

わかっていた。

 

否、わかっていなかった。

 

実はマインドを意識している内はマインドに囚われている。

呼吸するかの如く、当たり前にする必要がある。

 

そこで本来の自分の未熟さにも気づく。

最高の女性の前でフィルターを通した演技では通用しない。

つまり本物でなければ、本物と釣り合わない。

たとえ即れても、付き合えたとしても無理が出る。

 

 

理想の人と出会えた。

確かに心から繋がることができた。

だが、長くは続かなかった。

 

タイミングや運次第で実力以上の結果が出せることはある。

その一方で、心を繋ぎ止めるのは自分の本当の実力のみ。

 

理想の人に対して、今の自分は相応の男であるか?

そう自信を持って言えるのか?

言えないならば、見合った行動をしているのか?

惰性で快楽を求めているだけではないか?

苦手なことから無意識に逃げていなかったか?

 

それは対女性だけではなく、人生そのものに対して言える。

 

”全てはこの時のため”

 

その瞬間は突然来る。

そこでこれまでの自分の在り方が問われる。

 

もっと頑張っておけば良かった。

そんな生き方は絶対にしたくない。

 

 

理想と出会えたこと。

繋がれたこと。

幸せだった。

 

その先に行きたかった。

 

 

終着点

 

別れた後もLINEは続いていた。

思いの外、返事はすぐにきた。

 

その後もやりとりは続き、電話もできた。

嫌われているわけではなかった。

 

クリスマスはバイトだったと言う。

別に嘘でも何でもいい。

何気ない会話で笑い合う。

一方、いつもの通話に伝うわずかな緊張感。

 

千切れそうな1本の糸。

今の繋がりはそれほどまでに脆く儚い。

 

感覚でわかる。

取り返せないところまで来てしまった。

もう手を加えるようなことはしない。

 

片道1時間で会える距離。

今はその距離がどうしようもなく遠い。

彼女は僕の知らない街へ行ってしまった。

 

 

 

時は経ち、年も明ける。

 

LINEに見慣れない文字が現れる。

 

 

 

メンバーがいません

 

トーク相手がいません

 

 

 

その文字を何度も見つめる。

 

友達リストにもいない。

 

あの日の通話が最後だったと理解する。

 

彼女との繋がりは完全に消失した。

 

 

他に男ができたのか。

けじめをつけたのか。

スマフォが壊れたのか。

 

何故かはわからない。

出会った頃と一緒だ。

 

あの頃と違うのはこの子との未来はないということ。

僕たちが接点を持つことはもう二度と無いだろう。

 

 

 

君との幸せな時間。

 

君の透き通るような声。

 

心から繋がったあの日。

 

 

それも少しずつ霞んでいく。

 

忘れたい。

 

だけど、忘れたくない。

 

 

大好きだったあの人はもういない。

 

もう会えない。

 

 

君を失うことを恐れる。

 

そんな日々も終わった。

 

 

 

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